不思議な庭

いずれの国にもお国自慢があります。

東京スカイツリーやパリのエッフェル塔のような建物であったり、アメリカのカントリー&ウェスタンのような文化であったり、ギリシャやローマのような歴史であったりします。

特にオススメしたいと力説する人が多い食文化では、自慢度はヒートアップします。

言わずと知れた三ツ星シェフのフランス料理やイタリアのパスタ、スイスのチーズなど、これこそオラが国の一番ウマい食べ物だというこだわりは、下手に難癖をつけて否定するとややこしいことになりかねません。

そんな中で静かに自慢するモノがあります。

それは庭です。

オーストリアのシェーンブルン宮殿の幾何学的な庭や、モネの睡蓮で有名な水辺の庭など、それぞれの国の国民性をよく反映しています。

個人的に好きなのは、イングリッシュガーデンです。

一見するとただの草っぱらという印象なのですが、その計算されたレイアウトは、人間が意図するというより植物が一番快適に育つことができるようなアイディアを尊重しています。

四季の移り変わりの応じて、花が咲き実をつけるという植物の配置は、落ち着いてその空間を楽しめるため、毎日眺めていても飽きない庭といえるでしょう。

イギリス人の「気位は高いが謙遜する」という気風が感じられ、オープンガーデンとして個人な庭であるにもかかわらず、無料で公開してなんとなく自慢しているという庭も少なくありません。

ずんずん庭の奥に進むと、イギリスの代表的な児童文学である不思議の国のアリスに出てくるような迷路が現れそうな錯覚に陥ります。